製造業のIot推進に役立つ受託開発とは?派遣や外注との違い

企業のIoT化が急速に進む中、製造業もその例外ではありません。実は急速に導入が進んでいる業種であり、IoT化を果たすことでより効率的に、安全に業務を行っていくことが期待されています。しかしながら、製造業に関わる企業の多くが、システム開発に関するノウハウを持っていません。そこで利用できるのが、外部企業にシステム開発を依頼する受託開発です。

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製造業のIoT化、壁は?

製造業のIoT化は急速に進んでおり、データ収集やデータ活用の戦略、計画を進めていくことが期待されています。しかしながら、一方で中小企業ではなかなかIoT化が進んでいない現実があります。製造業にとって効率化は常に頭に入れて置くべきことであり、IoT化は効率よく仕事を進める上で非常に頼りになる存在です。しかしいきなり既存システムに取って代われるわけではありません。リプレイスにかかるコスト、そしてそれだけのコストをかけてどれほどの効果が出るのか。その予想は難しいため、多くの企業がIoT化に二の足を踏んでしまうのです。
人員の問題もあります。製造業の企業にはシステム開発に関する知識をもった従業員がいないことがほとんどでしょう。当然、今いる従業員で畑違いのシステム開発を行おうとすれば、膨大な時間と教育コストがかかります。その間本来の業務は圧迫されることになるため、これは現実的ではありません。かといってシステム開発のためのスタッフを新たに雇い入れるのも簡単ではありません。情報システムに関する知識は膨大です。雇用する側にシステム開発に関する知識がなければどのようなスキルを持った人を雇えばいいのか分からず、リスクもつきまといます。

システムの受託開発とは

自社にシステム開発のノウハウがない場合、外部の企業に開発を依頼するのが一番現実的です。そこで登場するのが「受託開発」です。これは外注の一種で、企業が求めるシステムやソフトウェアの概要をまとめ、その要望に添ったシステムを外部の開発企業に作り上げてもらうという方法です。自社に新しいシステムが必要になったとき、一般販売されているパッケージソフトを購入するのが一番手っ取り早いのですが、それでは自社の業務形態に合わなかったり、必要な機能が搭載されていないことがあります。受託開発は謂わばシステムのオーダーメイドであり、自社にぴったり合うシステムを開発してもらえるのです。
受託開発のメリットは、コストを抑えることができるという点です。企業内で開発を行おうとしたときに発生する人員の確保や育成、企画開発などの工程をほぼまるごとカットすることができます。本来の業務が圧迫される心配もありません。予算の管理もしやすく、「開発期間が延び延びになってしまい予算も予定より相当かかってしまった」ということもありません。ただし、外部に開発を依頼すれば、当然自社に開発ノウハウが蓄積されません。既にエンジニアが在籍してる場合は特に注意が必要です。また、仕様変更がしにくい、セキュリティリスクが生じやすいなどのデメリットもあるので、そうした点を把握した上で依頼することが大切です。

その他との契約の違い

外注には「受託開発」以外にもいろいろな契約形態があります。受託契約は、外部にシステム開発を依頼する方法で、報酬は成果物に対して支払われます。つまり依頼を受けた開発会社は、定められた制作期間内でシステムを完成させなければなりません。受託開発を利用すれば、開発力がない企業であっても自社にマッチしたシステムやソフトウェアを手に入れることができます。受託開発とよく似た言葉に「請負契約」があります。「仕事の完成」「成果物の納品」を約束する契約のことで、システム開発では受託開発とほぼ同じ意味で使われています。ただし請負契約の場合「何をもって完成とするか」という点が曖昧だったためにトラブルが発生することがあるため、認識のすりあわせを密に行うことが必要です。
「SES契約」とは、システムエンジニアリングサービス(System Engineering Service)の略で、IT関係の契約にのみ登場する言葉です。外部のエンジニアと契約を結び、依頼側のオフィスに常駐して仕事を行ってもらいます。システムは一度開発すればそれで終わりではなく、問題なく動かし運用していく必要があります。成果物ではなく労働力を確保したいときにおすすめの契約方法です。ただし、SES契約では、エンジニアに指示を出すのは依頼を受注した開発会社にあります。同じ職場で働いていても、依頼した側は指示を出すことが出来ないのです。依頼した側が自分達の指示で動いてくれるエンジニアを欲している場合は「労働者派遣契約」を結び、足りない労働力を補いながら自社で開発を進めていくことができます。

目的に合った契約を結ぼう

受託開発を活用することで、自社でシステム開発ができない企業でも、目的に合ったシステムを手に入れることができます。受託開発の契約では、法律によって成果物の完成義務や契約不適合責任が定められているため、完成品をきちんと受け取ることができます。成果物ではなく労働力が欲しい場合は、SES契約など目的に合った契約を結ぶことが大切です。

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