これまでのit業界はめざましい進歩を遂げてきました。商品や業界に関係なく、itの知識は必要不可欠になっています。そして、「iot」と呼ばれる技術も登場してきました。iotはitに似ているものの、細かい定義が異なります。この記事では、iotとitの違いや特徴、それぞれの技術の未来における可能性などについて解説していきます。
iotとは？「モノのインターネット」とはどういう意味か
「Internet of Things」を略した言葉が「iot」であり、「アイオーティー」と読まれています。以下、iotの概要を説明していきます
モノとモノの情報伝送
一般的に「Internet of Things」は「モノのインターネット」と訳されてきました。その言葉通り、iotとはこれまでインターネットに接続されていなかったモノをつなぐ技術です。かつて、インターネットはパソコンがなければ接続できませんでした。しかし、携帯電話やタブレットの登場により、パソコン以外の端末でも容易にインターネットへの接続は可能になりました。そして、さまざまな業界でインターネットを利用し、モノとモノの情報伝送を行おうとする考えが広まっていきます。
iotでできること
たとえば、ネットワークを利用したセキュリティ設備などは、iotの典型例だといえるでしょう。これらの設備では、不正に扉が開いたり、鍵が閉められていなかったりすると、システム上でアラートが鳴らされます。そのアラートを確認して、現場から離れている人も対応できるようになっています。あるいは、家電を遠隔で操作できる技術もiotの一種です。外出先でエアコンやテレビを消し忘れていたと思い出したとしても、iotなら家主が帰宅する必要はありません。外出先からスマートフォンやタブレットを使って、電源をオフにできるのです。
iotのメリット
モノをインターネットにつなぐメリットはたくさんあります。いくつか挙げるとすれば、まず「安全確保」です。モノを通して、誰もいない空間の状況を確認できます。遠くからペットの健康状態や、侵入者の有無を知りたいときなどに便利です。さらに、現場に人がいなくても機械を操作できるので、ビジネスシーンでは業務効率の向上にもつながります。機械や家電の稼働状況をデータとして蓄積できるのも大きなメリットです。
iotとitの違いは？iotに該当するモノは何になるのか
「Information Technology（情報技術）」を意味するitは、iotとよく似た言葉です。ただし、正確な意味は違うので注意しましょう。以下、iot itの違いを解説していきます。
ネットワークを使ったあらゆる技術がit
コンピュータネットワークを使った、情報技術の総称がitです。そのため、itが意味する分野は非常に広いといえます。メールやSNSなどはitの代表例です。それ以外でも、情報の入手、保管、発信など、ネットワーク上で行われる操作は基本的にitの一部です。日本では1995年、Windows95が普及してからitの概念は広まったとされています。多くの人が携帯端末を使い、家庭にパソコンを置く時代では、itはとても日常的な存在になっています。
itの中にiotがある
情報技術という点で、itとiotは同じです。ただ、itとはあくまでも情報技術全体の総称です。つまり、iotはitの中のひとつの形だといえるでしょう。強いて違いを挙げるなら、itはネットワークを経由する情報技術に関して、すべての領域を含んでいます。それに対し、iotは「モノのインターネット」という言葉で定義されます。つまり、本来はインターネットに接続されていなかったものの情報を、伝送するための技術がiotです。パソコンやスマートフォンなどは情報伝送が目的の機器なので、iotに該当しません。iotは家電や自動車、建物などについて用いられる言葉です。
iotは未来の世界でどのように進化する？aiとの連携も解説
近い未来、iotはさらに進化して日常生活に浸透していくと考えられています。ここからは、iotの展望を解説します。
aiとの連携でiotはどう変わるのか
人工知能（ai）との連携は、iotの技術者の中で積極的に試されてきました。このまま実用化が進めば、iotはより便利な技術になるでしょう。なぜなら、aiには自律機能と学習能力が備わっているからです。従来のiotでは遠隔から機械に指示を出さなければ、人間の思う通りには動かせませんでした。一方、aiが搭載された機械は、人間が細かく指示を出さなくてもある程度は自動で動いてくれるようになるのです。
aiを搭載したiotの活用例
たとえば、機械の故障や誤作動についてアラートを鳴らすことは、これまでのiotでも可能でした。しかし、単に「異常があればアラートを鳴らせ」と指示するだけでは、風や地震など、機械とは関係のない異常にまで反応してしまいます。こうした問題をaiの学習能力に頼ることで、機械にまつわる異常にのみアラートを鳴らすよう変えられるのです。また、生産ラインの品質チェックも、ai搭載のセンサーに任せやすくなるでしょう。細かい異常をセンサーが発見してくれるだけでなく、仕分け作業も実現します。その分、人間は別のコア業務に労力を割けるので、現場の効率性が向上します。
iot製品でビジネスシーンの可能性は広がる！
未来ではさまざまな分野で、iot製品が利用される頻度は高くなるでしょう。aiと連携して人間以上の精度で作業を行える機会には、多くの需要が生まれると考えられます。iotは業務効率化、安全性確保など、さまざまなメリットを企業にもたらします。それだけに、iot製品の開発には大きなビジネスチャンスが眠っているといえるのです。
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