IT業界におけるoemとは?メリットとデメリットについてもわかりやすく解説します!

IoT製品を開発する上で、oemはぜひとも知っておきたい重要な概念の一つです。とはいっても、そもそもoemがどのようなものなのかを詳しく知らないという方もいるのではないでしょうか。そこで以下では、oemの意味に加えて、メリットやデメリットについてもわかりやすく解説していきますので、これからIoT製品の開発に取り組みたいと考えている方はぜひ参考にしてください。

目次

oemとは何か?

まずはじめに、oemというのは、「オリジナル・エクイップメント・マニュファクチャリング(Original Equipment Manufacturing)」という英語の頭文字を組み合わせて作られたIT業界などで用いられる概念で、その読み方は「オー・イー・エム」です。このoemが意味するところは、ある製造メーカーが、他社ブランドの製品を代わりに製造するというもので、日本語ではわかりやすく伝わるように「相手先ブランド製造」などと訳されることもあります。oemには、高度な技術を有する製造メーカーがそういった技術を持たない製造者を指導する形態と、一定水準の技術を有する製造者に代わって同等の技術を有する製造メーカーが製品の製造を担う形態があるのですが、IoT製品の開発については前者の形態が用いられるケースが一般的です。

IoT製品の開発においてoemを活用するメリット

IoT製品の開発においてoemを活用するメリットとしてまず挙げることができるのが、製品の開発に要するコストを大幅に抑えられるという点です。IoT製品を社内で一から開発しようとすると、必要な技術やスキルを有するエンジニアなどを多数抱えなければなりませんし、市場調査などにかかる費用も馬鹿になりません。それに対し、これまでにIoT製品の開発を多数手がけてきた製造メーカーに開発そのものをoemの形で任せてしまえば、そういった人件費や調査費用は基本的にほとんど必要なくなるのです。もちろん、oemの対価の負担は発生しますが、節約できるコストに比べると、その金額はそこまで大きなものにはならないでしょう。

また、製品開発のスピードアップを図ることができるという点も、oemのメリットとして挙げられるでしょう。一からIoT製品を開発しようとすると、基礎研究や製品の企画立案といった時間のかかる工程から始めなければなりませんが、oemを活用すれば、製造メーカーに蓄積されているノウハウやスキルを用いてそういった手間をある程度は省くことができるので、自社で開発する場合に比べて、圧倒的に早く製品を市場に投入できるようになるのです。

さらに、oemを利用することで本業に専念できるというメリットもあります。例えば、もともと製品の開発ではなく販売を主たる事業としている企業であれば、自社が不慣れなIoT製品の開発を製造メーカーに委ねることによって、得意としている販売に注力できるようになるはずです。

IoT製品の開発においてoemを活用するデメリット

IoT製品の開発においてoemを活用する際には、それによって得られるメリットだけでなく、デメリットについても正しく認識しておく必要があります。まず、デメリットのうち特に注意が必要なのが、oemを活用する場合には、社内に製品開発のスキルやノウハウが蓄積できないという点です。oemは外部のリソースを用いて製品の開発や製造を行うというアウトソーシングの一種ですので、基本的には開発、製造に必要なスキルやノウハウを社内に取り込むことはできません。というのも、そういったスキルなどの多くは、oemを請け負う製造メーカーにとって企業秘密に該当するものですので、いくら重要な取引相手だからといっても、そう易々とは教えてもらえないからです。

また、oemは潜在的な競合相手を育てるリスクを伴っているという点も、デメリットとして認識しておいた方がよいでしょう。仮にoemを請け負っている製造メーカーが自社のブランド力だけでも十分にマーケットで戦っていけると判断した場合には、oemを取りやめて自ら製品開発を手掛けるようになる可能性はゼロではありません。もしそうなった場合には、これまで製品の開発を任せていた相手が、一瞬にして強力なライバルへと変貌する可能性があるのです。そのようなリスクが懸念されるのであれば、そもそも競合となり得るようなメーカーに対してoemを行うことは避けた方がよいでしょう。

oemを活用してIoT製品の開発を効率的に行おう

以上で見てきたように、oemを活用すれば、無駄なコストを抑えてスピーディーにIoT製品の開発を行うことができるようになります。もっとも、oemにはメリットだけでなく、ノウハウが社内に蓄積されないといったデメリットもありますので、効率的に活用するためにはメリットとデメリットをしっかりと見極める必要があるという点を頭に入れておくようにしてください。

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