IoT製品はOEM契約で製造できる!メリットや注意点などを詳しく解説

IoT製品を製造する際には、コストや人材などに関する様々な問題が生じます。自社のみでは問題解決が難しい場合には、OEM契約でIoT製品を製造することも視野に入れると良いでしょう。しかし、OEM契約について事前に詳しく把握しておかなければ、製品を製造する際にトラブルが生じるおそれがあります。そこでこの記事では、OEM契約についてメリットや注意点、契約書を作成する際のポイントなどを詳しく紹介します。

目次

OEM契約とは?

OEM契約とは、企業が自社製品の製造を他社に委託する形の契約のことです。ここからは分かりやすくするために、委託する側の企業を委託者、委託されて製品を製造する企業を受託者と表して解説していきます。OEM契約では製造のみを他社に委託するため、製造元が受託者となり販売元が委託者となります。完成した製品は、委託者のブランドロゴを表記して販売できるのです。

OEM契約のメリット

OEM契約のメリットには、以下のようなものがあります。

製品製造のための人材確保が不要になる

通常、IoT製品の製造には多くの人材が必要です。現状の人員だけで製品製造を行おうとすれば、通常業務に支障を来すおそれがあります。かといって新たな人材を確保するとなれば人件費が掛かり、コストが増えるという問題が発生するでしょう。しかしOEM契約の場合、わざわざ製品製造のために人材を確保する必要がなくなります。自社社員は通常業務に集中でき、新たな人件費が掛かることもありません。

新商品の開発に集中できる

商品の開発から製造、販売といった流れの中では、考えなければならない問題が多くあります。しかし、OEM契約にすれば製造業務に関しては全て受託者に任せることができ、委託者は新商品の開発に集中できます。他にも、販売経路開拓などにも時間を割けるようになるでしょう。

コストを削減できる

OEM契約では委託者には、受託者に支払う委託料というコストが発生します。しかし委託料は、製造ライン確保のための設備投資よりも少ない金額の場合がほとんどです。そのため、OEM契約で製品を製造した方が、自社で製品を製造するよりもコストの削減になります。

技術不足でも製造できる

新たなIoT製品を開発しても自社に製造技術がなく、新商品の製造に踏み切れずにいる企業も少なくありません。しかし、IoT製品の製造技術を保有した企業とOEM契約をすれば、自社に製造技術がなくても優れたIoT製品を製造できます。新たにIoT製品の分野に参入しようとしている企業でも、すぐに自社ブランドを市場に浸透させられるでしょう。また、自社の生産能力が不足しているという場合も、OEM契約をすれば委託者側の製造ラインを活用して生産能力を拡大できます。

OEM契約の注意点

メリットの多いOEM契約ですが、以下のような注意点もあります。

自社の製造技術が育たない

自社で製造をしない場合、将来的には製造技術を全く保有していない企業になるおそれがあるでしょう。製造部門がある場合も、OEM契約で製造ラインの人員を削減していれば、製造技術の低下に繋がりやすくなります。

自社製品の製造ノウハウが流出してしまう場合もある

受託者に提供した、自社製品に関するあらゆる情報が流出してしまうというリスクがあります。受託者側がそのまま委託者の製造ノウハウを活用する場合もありますが、受託者がOEM契約をした他の企業の製品製造に技術を転用する場合も考えられるでしょう。

製造の様子を頻繁には確認できない

製品の製造が他社で行われるため、製造ラインを頻繁に確認することはできません。製造の遅れや不良品の発生などのトラブルにもすぐには対応できず、結果的に納期が遅れたり製品の品質が低下したりする可能性もあります。

OEM契約書を作成する際のポイント

OEM契約では、様々なトラブルが生じる可能性も少なくありません。トラブルを避けるためには、正しい契約書の作成が必要です。ここでOEM契約書作成の際の主なポイントを確認しておきましょう。

知的財産権の帰属について明確にする

特許や商標などの知的財産権の帰属を規定する必要があります。また、第三者から知的財産権の侵害を訴えられた場合、どちらの責任となるのかも規定しなければなりません。

契約不適合責任について規定する

契約不適合責任とは、製品が納品された後に気づいた傷や汚れなどの瑕疵について、受託者側が一定期間責任を負うという決まりです。契約書には適用期間や補償などについて、詳しく規定しておく必要があります。補償は代替品の納入や修理、代金減額などがあるため、委託者と受託者の両方が納得するものを規定しておきましょう。

秘密保持に関して規定する

製品の製造ノウハウの流出などを防ぐためには、秘密保持に関する規定が重要となります。どこまでが機密情報となるのか明確にし、受託者側の社員にどのような責任が生じるのか規定するようにしましょう。

製品の仕様について明確にしておく

製品が不良品となるのを避けるために、あらかじめ製品の仕様について詳しく規定しておく必要があります。サイズや素材などはもちろん、ブランド名とロゴの表示方法も明確に記載しなければなりません。

OEM契約でIoT製品を製造しよう

IoT製品をOEM契約で製造すると、製造のための人員を確保する必要がなく、コスト削減にもなるというメリットがあります。また、製造技術がなくても自社ブランドのIoT製品を生産することが可能です。ただし、自社の製造技術が育たない、製造ノウハウなどの情報が流出するといったリスクもあるため注意して下さい。リスクやトラブル回避のためには、この記事を参考にしながら正しいOEM契約書を作成しましょう。

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