効率化やサービスの向上などの目的で、iotを導入したアイデア商品の開発に取り組む企業が増えています。iot商品には、状況や動きなどを検知するセンサーが必要になりますが、センサーにはさまざまな種類があります。商品や目的に適したセンサーでなければ、開発の失敗につながる可能性があるため、センサー選びは重要です。この記事では、商品のiot化で得られるメリットやセンサーの種類、開発成功のポイントなどを解説しています。
商品のiot化で得られる3つのメリット
iot(Internet of Things)は、「モノのインターネット」を指す略語です。独立して利用していた商品をインターネットに接続できるようにすることで、利便性の向上や人間の負担を抑えられるメリットがあります。iotは多くの分野で取り組みが進んでおり、アイデア次第でさまざまな活用方法があるでしょう。センサーを導入したiot商品の3つのメリットについて解説します。
リアルタイムの監視と対処を自動化
工場や農場などで状況の変化を検知して、対処するiot商品を導入すれば、生産性が向上します。たとえば、農業では温度や湿度、降水量、日射量によって散水量を調節する必要があります。天候の変化をセンサーが把握し、品種ごとの対処法を蓄積したデータから導き出すことによって、経験に依存することが多かった農業の効率化や生産性の向上につながるでしょう。
人間の負担が減る
変化する状況の監視やトラブルの対処のために配置されていた人員を削減でき、負担を抑えられるメリットがあります。上記の農業では、労働環境の過酷さが問題視されてきました。長時間労働で休みも少なく、後継者不足の原因の1つとされています。しかし、ハウス栽培にiot技術を導入すれば、室温や水分量の把握と対処の自動化が可能になります。労働環境の改善やまとまった休暇の取得にもつながり、人間の負担が減るでしょう。
離れた場所からの操作
離れた場所からでもiot商品を操作できるため、利便性が向上します。エアコンや洗濯機などを外出先から操作でき、室温や稼働状況を把握できます。ペットを飼っていると室温やエアコンの稼働状況が気になる場合があるでしょう。停電などによってエアコンの運転が停止してしまうことがあり、ペットの負担になる可能性があります。iot化されたエアコンならスマートフォンで室温や稼働状況を確認し、操作が可能です。
iot商品に導入される6つのセンサー
iot商品に導入されるセンサーは以下の6種類があります。
加速度センサー
物体の速度変化を検知するセンサーで、「モーションセンサー」とも呼ばれています。対象物に設置し、動きや振動、衝撃を検知します。車のエアバッグの作動やスマートフォンのタップ操作を可能にするセンサーです。
ジャイロセンサー
傾きや角速度を検知するセンサーです。車や船の姿勢を管理するために用いられていましたが、スマートフォンやゲーム機など、より身近な商品に導入されています。
光センサー
可視光線の強弱を測定する以外にも、赤外線や紫外線などの見えない光も検知します。リモコンや自動ドアなどに導入されているセンサーです。
画像センサー
「イメージセンサー」とも呼ばれ、検知した光を電気信号に変化させ、画像を作成します。車の自動運転などに用いられ、人の目の代わりを担う技術です。
音センサー
音を検知するセンサーは、音声入力やスマートスピーカーなどのサービスに用いられています。また、異常音を検知することで、トラブルや事故の予防につながるセンサーです。
環境センサー
気温や湿度、日射量などを測定します。エアコンに用いられている身近なセンサーですが、農業分野での活用も推進されています。
センサーを用いたiot商品の開発を成功させる3つのポイント
センサーを用いたiot商品を開発する際は、以下の3つのポイントを押さえましょう。
開発する商品との適性
商品によって適したセンサーは異なります。動きを検知するセンサーでも、対象が人間であれば人感センサーを、物体であれば光電センサーやレーザーセンサーが適しているでしょう。開発する商品に適したセンサーを選ぶことが重要です。
通信規格
インターネットに接続できるセンサーもありますが、無線通信規格のみに対応したセンサーもあります。また、センサーがインターネットに接続する「直接通信方式」と、センサーからの通信をまとめるゲートウェイを利用した「デバイスゲートウェイ方式」があります。商品に搭載するセンサーの数や種類に適した選択をしましょう。
センサーの信頼性
検知する結果の精度は重要です。商品自体に問題がなくても、検知する情報が間違っていると求める性能は発揮できないでしょう。
iot商品を開発する際の注意点
iot商品を開発する際には、2つの注意点があります。
セキュリティ
iot商品に搭載されたセンサーからさまざまな情報が収集でき、サービスの向上や新商品開発のヒントが得られる一方、収集した情報の管理が重要になります。蓄積したデータはもちろん、ユーザーが使う商品から個人情報が流出しないように対策する必要があるでしょう。
プライバシーへの配慮
さまざまなデータを検知し、インターネットに接続するiot商品ですが、考え方と扱い方によってはプライバシーの侵害につながる可能性があります。収集する情報の範囲や活用方法、データの管理を透明化し、ユーザーのプライバシーを侵害しないようにしましょう。
iot商品はさまざまな分野に活用方法がある
iot商品はさまざまな分野に活用方法があり、技術の進歩とアイデア次第で可能性はより広がっていくでしょう。iot技術を支えるセンサーですが、種類が多く、開発する商品によって適性は異なります。検知する対象に適したセンサーや通信規格を選ぶことが、商品開発の成功につながります。iot商品の開発を検討する際には、解説したポイントや注意点を参考にしてみてはいかがでしょうか。
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