スマートホーム化のメリット・デメリットと今後のビジネス展開に必要なこと

IoT家電が開発され、スマートホーム化は急速に進展するとみられていますが、課題が多いのが現状です。スマートホーム化を自社の主要なビジネスに成長させるには、現時点でのメリットとともにデメリットを把握することがポイントになります。今後に向け、さまざまな課題を克服していく必要がありますが、具体的にどんな点に着手できるかについても考えます。

目次

スマートホーム化のメリット・デメリット

スマートホームとは、家の中にあるモノをインターネットにつなぎ、便利で快適な暮らしができるようにした住宅を言います。そして、スマートホーム化には、IoT家電とネット環境が欠かせません。スマートホームにはたくさんのメリットがあるものの、デメリットも存在します。スマートホーム化をビジネスの主要な柱とするには、良し悪しの両面を理解したうえで、良い部分を伸ばし、欠点を克服していく姿勢が大事になります。

スマートホームのメリット

スマートホームのメリットの一つは、操作性の良さです。スマートホーム化することで、音声などで家電が簡単に操作できるようになる、スマートフォンを使い家の中の複数の家電を遠隔から操作可能になる、などが利点といえるでしょう。スマートフォンで操作できるということは、家電一つ一つに紐づいているリモコンが不要になるので、リモコンを探す手間や置き場所も省けるかもしれません。
家事の時短につながることもスマートホーム化するメリットといえます。スマートホームになると、エアコンのオンオフを自動で制御でき、設定した時間にカーテンを開閉したり、家の明るさに合わせて照明をつけるなど、手動で操作するものが減ります。一つ一つの家電の操作はそれほどの手間ではなくても、家全体での作業をあわせると相当な時間になります。それらの時間をカットできれば、有意義なことに時間を振り向けられるに違いありません。
スマートホーム化して、必要な家電を必要な時間に動かせるようにすると、省エネを実現できます。エアコンや照明の消し忘れは、手動ではヒューマンエラーなどで発生します。部屋に人がいなくなって一定の時間が経過した場合に、家電を自動でオフにするよう設定できれば、エネルギー削減に役立ちます。

スマートホームのデメリット

スマートホーム化するデメリットの一つは、導入コストが高いことです。IoT家電やスマートホームは比較的新しいシステムなので、開発企業が少なく、価格帯が下がっていないのが現状です。今後、スマートホームが当たり前の住宅設備になり普及が進むと、価格は下がってくると予想されます。
また、スマートホームは、ネット環境が使い勝手を左右する点がデメリットといえるでしょう。IoT家電を動かす基盤となるネット環境がぜい弱だと、操作がスムーズにいかず、スマートホームの恩恵を十分に受けられない可能性があります。
スマートホームは、導入するすべての人が平等に恩恵を受けるわけではなく、人によってはメリットを感じられないケースがあることに注意が必要です。スマートホームに資するとされるIoT家電は多く作られていますが、導入される家庭環境や家電の使用状況は様々です。ある家庭では重宝するものであっても、別の家では無用の長物となることも否めません。個々の生活スタイルを考慮したスマートホーム化を実現しないと、ユーザー側に不満がたまり、結果として普及の足かせとなってしまいます。

スマートホーム普及のために自社が行うべきこと

スマートホームを普及させ、そのうえで自社製品を選んでもらうには、ユーザーの利益を考えた開発がより一層大事になるといえます。開発の初期段階で、スマートホームに住む人を具体的にイメージしてみる必要があるでしょう。利用者が、新しい家電にすぐ対応できる若者だけでなく、高齢者や福祉・介護分野で使われることを考え、声で操作できたり、設定の簡便さを意識したりするとよいかもしれません。そして、利便性の良いIoT家電の普及には、AIの活用が欠かせません。スマートホームに居住している人の生活スタイルや環境の変化などの情報を分析し、快適な暮らしの実現に役立つ働きが、IoT家電に求められているからです。
セキュリティを重視する姿勢も大切です。これまで開発されたIoT家電の中には、セキュリティが甘く、外部からの侵入を受け、乗っ取られたケースもありました。そのため、2019年3月には、不正アクセス防止機能の設置や、障がいが発生した場合にインシデントとして総務省に報告することが義務付けられました。加えて、不特定多数からのアクセスを遮断したり、IDやパスワード設定を促す機能も求められています。スマートホーム化は、使われているIoT機器の存在を意識することなく快適な生活を実現できる優れた一面を持ちますが、一つのIoT家電への不正侵入がネットワーク全体に影響することを考えると、今後の開発には、操作の簡便性とともに、セキュリティの強化が不可欠といえます。

スマートホーム化のメリット・デメリットと今後の開発に必要なこと

スマートホーム化のメリットは、家電を簡単に操作できるようになるほか、家事などの負担軽減や、省エネにつながることです。しかし、スマートホーム化するには導入コストが余分にかかり、家電の使用状況やネット環境により恩恵を受けられるかどうかがまちまちな点が、現状のデメリットといえるでしょう。今後は、IoT家電を使う人の立場に立ち、セキュリティを意識した開発がより一層求められます。

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