IoT製品の開発にあたっては、フルスタックエンジニアの存在が重要になるのですが、そもそもそれがどういった職種なのかを知らないという方も多いのではないでしょうか。以下では、フルスタックエンジニアの概要に加えて、仕事の内容や求められるスキルなどについても紹介していきますので、ぜひ頭に入れておくようにしてください。
フルスタックエンジニアとは何か?
まずはじめに、フルスタックエンジニアというのは、システム開発などを行う上で必要になる様々なスキルを兼ね備えているエンジニアのことを言います。もっとも、厳格な定義が存在しているわけではなく、通常であれば異なる専門性を有するエンジニアが数人で担うような複数の分野を一人で担当できるようなマルチスキルのエンジニアを指してそういった呼び方をされる場合があるのです。
フルスタックエンジニアがいれば、多数のエンジニアを雇う必要がなくなるので、その分だけ人件費を抑制することが可能です。また、一人で様々な意思決定を行えるので、製品開発のスピードアップも図れるでしょう。フルスタックエンジニアを活用すればより効率的にIoT製品の開発を行えるようになるので、いかにしてそういった人材を確保するかは製品開発の成否を左右する重要な要素と言っても過言ではありません。
フルスタックエンジニアの仕事内容
フルスタックエンジニアは様々なスキルを備えているだけに、その仕事の内容は多岐にわたります。例えば、システムのフロントエンドやバックエンドの開発の他に、スマホアプリの開発やネットワークの構築などもフルスタックエンジニアが担うことができる仕事に含まれます。ただし、一言でフルスタックエンジニアといっても持っているスキルは一人ひとり異なりますので、すべての者がこれらすべての仕事をこなせるわけではありません。その点を理解した上で、IoT製品の開発にあたってフルスタックエンジニアを雇うのであれば、その開発に必要なスキルを兼ね備えている人材であるかどうかをしっかりと見極めるようにしなければならないのです。
フルスタックエンジニアに求められるスキル
では、フルスタックエンジニアにはどのようなスキルが求められるのでしょうか。まず第一に挙げられるのは、OSやミドルウェアについてのスキルです。アプリケーションの開発などを手掛ける以上、これらのスキルを有していないとフルスタックエンジニアは務まりません。また、近年のシステムはその多くがクラウド環境で動作するものとなっているため、クラウドサービスに関するスキルも必要になります。加えて、フロントエンド開発やバックエンド開発、アプリケーション開発についてのスキルも不可欠でしょう。例えば、フロントエンド開発については、HTMLやCSS、Java Scriptなどを使いこなせるようになっておく必要がありますし、バックエンド開発については、JavaやRuby、PHPなどの知識は必須です。アプリ開発については、SwiftやKotlinなどの言語も使えるようになっておいた方がよいでしょう。
これらのスキルは一朝一夕に得られるものではないため、フルスタックエンジニアを目指す場合には、目指すべき姿を明確にした上で、その達成に向けたロードマップを描くようにしなければなりません。その上で、かかるロードマップに基づいて着実にスキルアップしていくことが重要になるのです。なお、特段の資格は求められないので、ロードマップの中に資格取得に向けたプロセスを組み込む必要はありません。
フルスタックエンジニアの年収
最後にフルスタックエンジニアの年収水準ですが、人によって保有しているスキルや対応可能な業務範囲が異なるため、一概にいくらくらいと言うことは困難です。強いて言うのであれば、少なくとも高度なスキルを有するアプリケーションエンジニアと同等以上の価値はあるはずですので、彼らの年収の相場である600万円程度の年収は想定しておいた方がよいでしょう。もっとも、複雑なIoT製品の開発実績を有するエンジニアを雇う場合には、その水準の年収では必ずしも十分ではないかもしれません。優秀な人材であればあるほど、市場における価値は高くなる傾向があるため、場合によっては1000万円以上の年収が必要になるケースもあり得るのです。
フルスタックエンジニアをうまく使いこなそう
以上で見てきたように、フルスタックエンジニアがいれば様々な開発工程を任せることができるので、IoT製品を開発するにあたってはいかにそういった人材をうまく使いこなすかが重要になってきます。彼らのコストは決して安くはありませんが、有効に使えばそれを上回るメリットが得られるはずですので、これからIoT製品の開発を考えている方はぜひフルスタックエンジニアの活用を検討してみるとよいでしょう。
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