人感センサーの仕組みを知り製品開発につなげる

世の中を便利に、そして豊かにできる製品はたくさんありますが、人感センサーを使ったアイテムはその一つです。時代の先端を行くIoT製品などにも活用が進む人感センサーとは、どのようなものなのでしょうか。人感センサーの仕組みを考えた後、屋内での利便性や屋外の防犯に役立つことを活用事例とともにご紹介します。また、製品開発の際に考慮したい点についても取り上げます。

目次

人感センサーの仕組み

人感センサーとは、人を感知して作動するセンサーすべてを指す言葉です。人感センサーは以前から身近なところで使われていましたが、その代表例が自動ドアです。人が自動ドアの近くに来ると、人感センサーが働いてドアを開閉する仕組みですが、人を検知するのに赤外線が使われています。赤外線は、「赤」の「外」と書きますが、人間が見える範囲の光の波長は虹の七色とされます。虹の一番外側は赤色ですが、そのさらに外側にある目に見えない光が赤外線です。
赤外線センサーは、赤外線を感知するとそれを電気信号に変え、目的の動作が行われるようスイッチが入る仕組みになっています。物体は、温度が高いものほど赤外線を発する性質があるので、人が通ると、その温度差を感知して目的にかなった動作をします。

なお、赤外線センサーにはいくつかの種類があります。その一つが、今まで取り上げてきた「熱型赤外線検出器」です。赤外線を検出すると、それを電気信号に変え、目的の動作につなげるタイプの赤外線センサーです。これは小型で常温で使え、利用できる光の波長域が広いですが、応答速度は若干緩慢です。

一方、「量子型赤外線検出器」は、赤外線を感知すると、それをそのまま量子といわれる原子や分子よりも小さな物質に変えるタイプの赤外線センサーです。計算速度が圧倒的に早い量子コンピュータにも代表されるように、熱型赤外線検出器よりも感度が高く、応答時間が短いのが特徴です。優れた点が多い量子型赤外線検出器ですが、動作温度が低いため、センサー自体を十分冷却しなければならないことが弱点です。

人感センサーは赤外線だけでなく、いろいろな種類のものが出ています。光の波長の違いを検知し、物の大きさや位置などを検知できる光センサー、音に反応する音波センサーや音感センサー、人が触れたときに静電気を感知して動作するタッチセンサーなどです。これらのセンサーは、今まで手動で行ってきた機器類の操作を自動化するのに役立っています。

人感センサーの仕組みを使った活用事例とその効果

人感センサーの仕組みを利用した照明は、いろいろな種類のものが出されています。屋内にある照明としては、ドアを開けたときに自動で点灯し、人が離れると、やはり自動で消灯するものが登場しています。必要な時だけ電気がつくことで、節電に貢献できる仕組みです。屋外に設置されるものに、玄関や車庫などのセンサーライトがあります。玄関や車庫では、両手に荷物を持った状態で照明をつけるのは大変ですし、アプローチ部分が暗いとケガにつながる危険性があります。人感センサーを活用した照明は、暮らしやすさや安全を守ってくれるアイテムとなっています。照明以外の活用事例として、トイレなどで、手をかざすと水が出る洗面台やジェットタオルなどが挙げられます。

人感センサーは防犯面でも有効です。上記で取り上げた屋外の照明ですが、人が頻繁に通る部分だけでなく、死角となるところにも設置すると、不審者の侵入を防ぐ効果を見込めます。人感センサーを使った照明に加え、カメラも設置し、さらに防犯効果を高めている方も多くいます。

人感センサーのデメリットを考えた製品作りや効果性をアピールする広告宣伝が必要

暮らしをサポートする面でも、防犯の面でも注目が集まる人感センサー付きの製品ですが、センサーなしのものと比べて、高額になる点が消費者にとってデメリットとなります。人感センサーは、初期投資が必要であるものの、節電効果や防犯面でのメリットを考えると、決して高い商品ではないといえます。人感センサー付きとそうでない製品の電気代の違いや、費用対効果、メリット部分を強調して広告宣伝をすると、消費者は製品の良さを実感できるに違いありません。

人感センサー付き製品の作成には、設置に向かない場所があることや、誤作動する可能性を考えることが大事です。例えば、屋内では、センサーを遮る可能性が高いクローゼットには向かないとされます。また、長時間座ることが予想されるトイレに温度変化を感知するセンサーを付けると、途中で照明が切れる可能性があり、設置場所などの特性によっては不向きな場合があります。屋外の赤外線センサー付き照明は、人だけでなくペットなどの動物にも反応してしまうので、製品の評価は地域特性が大きく影響するかもしれません。

人感センサーは、混雑解消や働きすぎ防止に役立つIoT製品に使われるなど、社会生活そのものを改善するキーとなる仕組みに成長しています。ターゲットを絞り、利用者の状況をよく考え、どの人感センサーが目的にかなうのか確認しながら製品作りをすると、消費者ニーズにかなったアイテムを提供できるでしょう。

人感センサーとは?仕組みを理解したうえで屋内・屋外の利便性や防犯につながる製品作りに役立てる

人感センサーとは、人を感知して作動するセンサーの総称で、赤外線や光、音や静電気に反応するものがあります。人感センサーは、屋内では節電効果が期待できるアイテム、屋外では防犯に役立つ製品が人気です。製品作りでは、人感センサーの仕組みを熟知したうえで、消費者ニーズを把握し、効果性をアピールする取り組みがポイントになります。

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