システム統合について！そのメリット・デメリットや失敗せずに統合を進めるポイントとは

2022 7/24

2022年7月24日 2022年7月24日

現在、システム統合の実施を検討している企業の経営者も多いのではないでしょうか。しかし、システム統合について詳しく知っているわけではなく、どのようなメリットやリスクがあるのか十分理解できていないという方もいるかもしれません。

そこで今回はシステム統合について、そのメリット・デメリットや失敗せずにシステム統合を進めるためのポイントなどを紹介していきます。

企業の情報をまとめて管理しやすくする事が主な目的であるシステム統合

システム統合とは情報を一元的に管理する事を目的に、複数の独立したシステムを一つに統合する方法を指します。企業間における合併や買収といったいわゆるM＆Aによる企業の再編、部門単位で業務の効率化を図りたい時などにシステム統合が要求されるケースが多いです。

ICTの進化に伴い、市場の動向も変わりやすくなっているため、M＆Aという戦略を選択する事で激しい競争の中を生き残ろうとする企業は増えています。M＆Aのように企業の組織構造を抜本的に再編する場合は、それぞれのシステムを一括に管理できるようにしたり、システムの再構築に着手する必要があるとも言われています。

またシステム統合はM＆Aだけでなく、ITインフラの再構築や部門間の業務が円滑に行えるようにするための連携強化などを目的に実施されるケースも少なくありません。

システム統合がもたらすメリットとは

企業戦略の立案がしやすくなるシステム統合が実施されると、財務や製造、流通などあらゆる業務データの一括管理ができるようになります。

顧客やサプライチェーンに関する情報など膨大でその企業にとっては重要な情報を統合する事で、分析して得られた数量や数値に基づいた企業戦略が立てやすくなるのです。またシステム統合する事によって顧客のニーズに対応した商品開発や具体的な市場の予測もできるようになり、市場における競争力の強化に繋がります。

情報処理によるコストの抑制が期待できる単純なデータの入力ミスなどヒューマンエラーのリスクを少なくできる点がシステム統合の一つのメリットです。

またシステム統合は情報を一元化する事ができるようになるため、製造元単位でかかっていたメンテナンス費用や運用費用の削減が期待できます。これによって情報システムに携わっている人たちの業務負担が軽減され、その分他の業務に取り組む事ができるようになります。

情報を社内全体で共有する事ができる企業が保有しているデータは部門ごとのシステムによって管理されているケースが一般的であると言えるため、保存しているデータの形式などもそれぞれ異なっている事が多いです。そのため、このようなシステム構造では社内全体はもちろん、部門間の情報共有も容易ではありません。もしシステム統合によって部門ごとのシステムで管理されているデータを一つにまとめて管理する事ができれば、社内の情報共有化が大きく進み、業務効率の改善や向上にも繋がります。

システム統合を実施する事によるデメリットとは

データを損失してしまう可能性があるシステム統合によるデメリットとして挙げられるのが、データの損失などのリスクがあるという点です。社内のそれぞれの部門では独自のデータを保有している事から、統合する以前のデータがいつの間にか失われているというケースも珍しくありません。データの損失リスクをいかにして少なくするかという事がシステム統合における課題の一つと言えます。

トラブルが起きるリスクも潜んでいるシステム統合の作業工程は複雑化しているとも言えるため、統合した際に情報が漏えいしていたりするなどのトラブルが発生する可能性もあります。例えばデータの更新作業が要因となって大手銀行のシステムにトラブルが発生し、一時的にATMなどが使用できなくなるといった事案が実際に発生しています。システム統合を実施する場合は、想定されるリスクを把握した上で、トラブルの予防に繋がる対策を検討する必要があるでしょう。

コストがかかりやすく、一時的に業務の効率が低下する可能性もあるシステム統合の規模が大きくなるほど設計やテスト、運用など様々な作業が必要となってきます。そのため、人件費など様々なコストが必然的にかかってきてしまうのです。また、統合したシステムが稼働しても、運用が安定するまでは細かな部分で改修などをする事もあるため、業務効率が一時的に鈍化する可能性があります。

失敗する事なくシステム統合を進めるためのポイントとは

失敗しないシステム統合の進め方のポイントとして挙げられるのが、スケジュールにゆとりがある統合計画を立案する事です。システムの開発以外にも、既存システムの調査や新システムの運用に向けた研修など、システム統合には膨大な作業が発生します。

また様々な作業をシステムが稼働するまで安全に行う必要があります。しかし、システムを統合する日時を先に決めてしまい、それに間に合うようにスケジュールを組んでしまうと、タイトなスケジュールになってしまう事もあります。

実際にシステムの稼働日に合わせてスケジュールを作成した事で、運用してからトラブルや不具合が相次いで発生したケースも少なくありません。システムの運用中にトラブルが多発すると、場合によっては社会的信用に関わる可能性もあるのです。そのため、システム統合の計画を立案する際は、それぞれの作業が十分にできるような余裕のあるスケジュールにする事も大切と言えます。