モノのインターネットで生活やビジネスはどう変わる？IoTの今後の展開

2022 7/24

2022年7月24日 2022年7月24日

多くの企業が新しい技術である「IoT（Internet of Things）」に参入し、製品開発を始めています。なぜなら、IoTには日常生活やビジネスシーンにおいて、大きな変革をもたらす可能性があるからです。近い将来、IoTはますます発達し、世界的に影響力を強めていくでしょう。

この記事では、予測されているIoTの今後の展開について解説していきます。

IoTとは何か？世界的に注目されている理由も解説

「モノのインターネット」とは、本来、情報伝送の機能がなかったモノをネットワークに組み込む技術のことです。この段落では、IoTの概要と注目されている理由を紹介します。

遠隔からの情報伝送が可能にこれまでインターネットに接続しようとすれば、パソコンや携帯端末などの情報機器が必要でした。しかし、技術の発達によって情報機器として開発されたモノではなくても、ネットワーク上に組み込むことが可能になりました。こうして生まれた技術がIoTです。IoTではインターネットを経由し、モノに蓄積された情報の送受信を行えます。そのことで、遠隔からモノの操作を行えます。さらに、モノに蓄積されたデータを確認し、離れた現場の状況を共有できるのです。

活用事例IoTの活用事例はさまざまです。一部を挙げるなら、多くの製造業でIoTは導入されてきました。人がいなくても機械を遠隔で動かしたり、現場の異常を検知できたりするのはIoTの具体例だといえるでしょう。家電や自動車などを遠隔から操作するのもIoTに該当します。この技術を使えば、帰宅前にエアコンで部屋の温度を調整しておいたり、洗濯や炊事を職場からできたりします。本人が車を運転できなくても、別の人が遠隔から操作してくれることも可能です。そのほか、建物の一部にセンサーを取り付けて、侵入者や異常を見つけ次第、アラートを鳴らす技術もIoTの事例です。

なぜIoTが注目されているのかIoTは時代とともに、注目度をどんどん高めてきました。その大きな理由は、「導入しやすい環境があちこちで整ったから」です。クラウド技術の発達、携帯端末の進化などにより、IoTを用いた機器の操作は容易になりつつあります。さらに、家電や自動車、建物をネットワークに組み込むという発想も、一般家庭や企業で理解されやすくなりました。日常にIT機器が浸透したことにより、人々のIoTへの理解も進んできたのです。
少子高齢化や就労人口減少などが原因で、企業が人材不足に直面しているのも大きな理由です。働き手が足りない以上、企業が業務効率を見直さざるをえません。

そのような中で、現場に人がいなくても作業を行えるIoTに着目する企業は増えてきたのです。

IoTの今後の可能性は？さらなる進化のための課題は何か

時代のニーズに合わせて、IoTは進化を続けています。この段落では、IoTの今後の展開や課題について解説します。

ロボットやAIと組み合わせる人手不足解消という面では、IoTとロボット、AIの組み合わせが期待されているといえるでしょう。特に、AIを搭載し、自律で動けるロボットにIoTを導入する方法が試されています。たとえば、介護の現場に自律型のロボットがあれば、要介護者の世話を任せられます。就寝中の異常もロボットが検知してくれるので、24時間体制の介護を実現しやすくなるのです。

さらに、工場での仕分け作業をロボットに任せられる可能性も出てきます。これまで不良の検品作業は、確認事項が多く、人間でなければ難しいと考えられてきました。しかし、AIによって学習能力を搭載したロボットなら、細かい仕分け作業も行えます。体力や集中力も人間より優れているので、作業量、効率の両方が向上するのです。

そして、これらのロボットに蓄積されたデータは、インターネットによって人間側に送信されます。もしもロボットの働きに異常があれば、すぐに人間が気づける仕組みです。そのうえで、ロボットの稼働データを人間が分析し、さらなるパフォーマンスの改善も目指せます。

進化の前に解決するべき課題IoTの今後の課題は、「電力供給をどうするか」です。

ロボットを使ったIoTが実現すれば、さまざまな現場で人間の負担は減ります。しかし、それだけのロボットを動かすには相応の電力が必要です。電力をどこから供給し、充電する仕組みを作るのかが解決されなくてはなりません。また、大量の電力が消費されたり、高価なロボットを人間が調達したりするときのコストも課題となるでしょう。

ネットワーク環境も無視できません。特に、介護や警備などの現場でIoTを導入するには、常時、機械をインターネットにつなげることが必須です。しかも、外部からネットワークに侵入されないよう、セキュリティ対策も万全でなくてはなりません。安全にIoTを活用していく方法を確立できるかは、開発側の大きなテーマです。